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国内初?みずほ銀行が発行開始するJコインのメリット・デメリット

国内初?みずほ銀行が発行開始するJコインのメリット・デメリット

先日、みずほ銀行が2019年3月から発行を開始すると日経新聞が報じた「Jコイン」が界隈で話題になっています。

元々は、今年1月に発表されたJコイン構想によりその存在は知られていたものの、あまり界隈の反応が良くない部分も見られます。
Jコインと名がつく限りは仮想通貨の一種と思いたいところなのですが、仕組みを調べると、どうも一般に知られる仮想通貨とは全く別のものだと言わざるを得ないところもあります。

そこで今回は、Jコインの基本情報から仮想通貨とは違うのではないかと考えられる部分を解説したいと思います。

そもそもJコインとは?

Jコインとは、みずほフィナンシャルグループが筆頭となって、ゆうちょ銀行や地方銀行を集めて行った勉強会で発案された「Jコイン構想」がきっかけとなって生まれた仮想通貨です。

仮想通貨とは言っても、相場の変動により価格が上げ下げすることはなく、あくまでも「1コイン=1円」というステーブルコインという位置づけです。
今で言うところの電子マネーとほとんど同じ仕組みですが、違うのは単に「決済ができるだけではない」ということです。

例えば、銀行口座からJコインを簡単にチャージできるのはもちろんのこと、個人間のJコイン送金やJコインをポイント代わりにすることもでき、使用データからその人に合わせたクーポンを送るということが可能になります。詳しくは下記のPDFファイルにてご確認いただけます。

■参考:経済産業省「我が国のキャッシュレス化推進に向けたJ-Coin構想について」

Jコインが始めて報道されたのは2017年9月のことです。
それ以来、特に動きがないように思われましたが、実はしっかり実験や検証は行われていたのですね。

Jコインを使うことのメリット・デメリットは?

では、実際にJコインの発行が開始されたとして、それを使うことにどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
先ほどもご紹介した、「我が国のキャッシュレス化推進に向けたJ-Coin構想について」というファイルの情報をも基に考えてみたいと思います。

〈メリット〉
・価格が変動しないため資産価値が目減りしない
・銀行口座と連携しているため利便性が高い
・個人間送金が簡単にできる
・個人の嗜好になどに合わせたお得情報が得られる
・店舗側の人件費や電子マネーの導入や手数料などの削減に貢献する

個人や店舗側にとっては以上のようなメリットがありますが、国や銀行側としてもATMに関するコストを下げ、海外の電子マネーの台頭を阻止できるというメリットもあります。

ただデメリットが無いわけではありません。
直接ユーザーに係るデメリットではありませんが、少々疑問に思えることがいくつかあるのです。
それらを敢えてデメリットとして挙げると以下のようになります。

〈デメリット〉
・決済や送金くらいの機能しかない
・MUFGやSBIも仮想通貨の発行を検討している
・海外送金はできない(いずれ整備予定とのこと)

2番目のデメリットが特に重要です。
既に大きな競合がおり、結局のところ大手銀行3社が独自の仮想通貨を発行すれば、それが普及するかどうか疑問が残ります。

日本のキャッシュレス化を進めるには、いずれ大手銀行が動かなければいけなかったことは間違いありませんが、果たして今後どうなっていくのでしょう。
そこで、Jコインについてもう少し詳しく考察してみたいと思います。

Jコインと仮想通貨の決定的な違い

先ほどのJコイン構想の資料を見ている限り、そもそもJコインをみずほ銀行が独自に発行するわけではなく、地方銀行なども併せて、一つのプラットフォーム上で仮想通貨を発行するという仕組みになっていることが分かります。
要は、コイン名は違うものの発行主体は同じという風に考えると分かりやすいかもしれません。

■参考:経済産業省「我が国のキャッシュレス化推進に向けたJ-Coin構想について」

では、Jコインは仮想通貨なのでしょうか。
実はこの点に異議を唱える人が少なくありません。

何故なら、仮想通貨の歴史を考えるとJコインが「中央集権」であるためです。

もちろん仮想通貨の定義として「非中央集権であること」と誰かが決めたわけではありません。
決済手段としての機能があればよく、非中央集権でなくてはならないということはないのです。

しかし、仮想通貨界隈の人たちからしてみると、ブロックチェーンの技術に魅力を感じて仮想通貨のファンになった人も多く、仮想通貨と言っても中央集権である限りセキュリティ面の不安や応用が利かないという点で心許ないという人も多いのではないでしょうか。

決済と送金、個人間送金ができるというだけでは、電子マネーや個人間送金ができるアプリで良かったのではないか。
確かにそう思わざるを得ない部分があるのです。

Jコインがブロックチェーンを使っていない!?

さて、Jコインは中央集権型の仮想通貨であるとお伝えしましたが、実はそもそもブロックチェーン自体を使用していない可能性があります。
これは公式なリリース情報が発表されないと分かりませんが、ブロックチェーンが使われていないと考える理由は以下のようなことです。

・公式な情報や報道記事で「Jコインがブロックチェーンを使っている」との記載は一切見られない
・上記のJコイン構想の資料に、分散台帳を示す文言や図解が全くない
・新聞社などの報道機関や専門家の語る内容ほど「ブロックチェーン」という言葉を使っていない
・同じく過去の報道内容などを見ると「デジタル通貨」という扱いでMUFGコインとは差別化している

他メディアでは「Jコインはブロックチェーン技術を使い…」と解説するものが多くあるのも事実。
ただ実際、正式な技術情報やサービス内容はほとんど開示されている様子はなく、ブロックチェーンが使われているというのはどこから出た情報なのかというところに疑問が残ります。

Jコインはブロックチェーンを使っているのでしょうか。

もしブロックチェーンが使われておらず、サーバーを主体としたインフラなのであれば、それこそ既存のデジタルマネーと変わらないことになります。
ただもし、技術情報として開示していないだけなのであれば、非常に汎用性の高いものとなるのは間違いないでしょう。

あとは実際の正式リリースを待つばかりですが、Jコインがどのようにして普及を促進していくのかに注視していきたいと思います。

まとめ

今回は、Jコインの概要と仮想通貨との違いについて解説いたしました。

非中央集権でないことは明らかであり、ブロックチェーンを使っていない可能性はご説明したとおりですが、仮にブロックチェーンを使っていなかったとしても、銀行側がそれを必要としなければ問題はないのでしょう。
あくまで送金機能の向上やインフラの拡大を目的としているため、例えばイーサリアムのようなスマートコントラクトやNEMの公証機能などは無くても良いのです。

最近、特にペイペイをキッカケとしてキャッシュレス化の潮流が激しくなってきた感があります。
そこにJコインがしっかりとした存在感を示せるのかどうか。
最初のスタートが肝心となりそうです。

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