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初心者でも分かる「ドミナンス」仮想通貨売買の参考にすべき理由

初心者でも分かる「ドミナンス」仮想通貨売買の参考にすべき理由

数千にも及ぶ仮想通貨がある中で、ビットコインが売られるとアルトコインの相場も下がるなんて場面を目にしたことがある方は多いかと思います。しかし、ビットコインが売られたからと言って、アルトコインを手放す人が多くなるとは言い切れません。

海外の仮想通貨取引所では「BTC/ETH」というビットコイン建ての通貨ペアがあるように、ビットコインを売ってアルトコインを買う動きも存在していますので、ビットコインが下がってアルトコインが上がるという場面もあるのです。ビットコインを売って他の仮想通貨を買うということは仮想通貨の中でも力関係が変わってきますし、そうなると実際の力関係を示すデータが無いか気になりますよね。

そこで今回は、仮想通貨の力関係を見ることができる「ドミナンス」というものについて解説します。単に見方だけではなく、ドミナンスの簡単な分析方法などもご紹介しますので是非ご覧ください。

相場分析に欠かせないドミナンスとは?

ドミナンスとは、あらゆる仮想通貨の「シェア率」と考えると分かりやすいでしょう。国内に商品を提供する会社のテレビコマーシャルなどで「国内シェア○○%!」なんて言っていたりしますが、それをイメージすると分かりやすいかもしれません。ドミナンスを仮想通貨版に置き換えると以下のようになります。

  1. 仮想通貨が「ビットコイン」「イーサリアム」「リップル」「NEM」「IOTA」の5種類のみ。最初のシェア率は「10:10:10:10:10」とします。
  2. その後、仮想通貨の需要に変化が起こります。
  3. 結果、仮想通貨のシェア率は「20:18:3:3:6」とバラけた状態となります。

この各通貨がシェアされている割合を「ドミナンス」と言うのです。仮想通貨業界で流通している総額が50兆円だとすると、上記4の割合ならビットコインが20兆円分のシェアを獲得しているということです。

ビットコインは2016年まで80~90%のドミナンスとなっていましたが、仮想通貨元年と言われた翌年2017年にはアルトコインの台頭により40%まで低下。しかし、現在は50%までシェア率を回復しており、アルトコインとのシェアを奪い合うドミナンスの様子はトレーダーにも注目されている大事な指標となっています。

ドミナンスから推測する市場の動き

では、ドミナンスを知ったところで一体何が分かるのでしょうか。

「ドミナンスはシェア率である」「トレーダーも注目する」と言いましたが、つまりドミナンスとは仮想通貨の人気度であり、ドミナンスの変化から市場心理を読み解くことができるのです。

先ほどのドミナンスの説明を更に分かりやすくするため、仮に「ビットコイン」「イーサリアム」「リップル」という3つの通貨しかなかったという想定でご説明します。

【1月1日】仮想通貨業界誕生
ビットコイン:28
イーサリアム:1
リップル:1

1月1日にスタートした時点ではビットコインのセキュリティの高さが評価されて、ほとんどの人がビットコインを保有しています。ここから各通貨の利便性やセキュリティ性能のアップデートなどが進められ、シェア率が変化していきます。

【6月1日】イーサリアムの機能がアップデート
ビットコイン:8
イーサリアム:19
リップル:3

6月1日にイーサリアムが大規模な機能をアップデートしました。それによりイーサリアム人気が沸騰し、ビットコインやリップルからイーサリアムに乗り換える人が多く発生しました。

【12月1日】リップルの巨額盗難事件の発覚
ビットコイン:27
イーサリアム:2
リップル:1

年末を控えた12月に数十億を超えるリップルの盗難事件が発生。本来は無関係のイーサリアムにも影響が及び、イーサリアム保有者も高いセキュリティを誇るビットコインに資産を退避させる事態に発展します。結果、ビットコインのシェア率が異常に高くなり、アルトコインを保有する人は大変少なくなりました。

※上記は説明を分かりやすくするためのフィクションであり、セキュリティ性能や事件は全て架空のものです。

ドミナンスを見るということは、その時々の市場心理がどのように変化しているかを理解、把握するという事にも繋がります。単一の仮想通貨にドミナンス割合が集中しているのであれば、その仮想通貨にポジティブな話題があったか、もしくは他の仮想通貨にネガティブな出来事があり、退避先として資金が流れてきているなどという風に読み取ることができるのです。

過去のドミナンスの変化を見てみよう

では、実際のドミナンスの変化を見てみましょう。下記のチャートはCoinMarketCapが提供しているドミナンスチャートです。

ドミナンスチャート

■CoinMarketCap
https://coinmarketcap.com/charts/

上記のチャートはドミナンスの推移を分かりやすくするために、アルトコインを拡大して表示させていますので、パーセンテージは正しいものではありません。一番左側が2017年1月で直近2018年11月6日までを表示させています。

仮想通貨ブームが起こる2017年の前半で、ビットコインのドミナンスが低下します。その代わり、その他のアルトコインのドミナンスが上昇していることがお分かりいただけるかと思います。

その後もビットコイン、アルトコインともに上昇と下降を細かく繰り返しますが、注目すべきは「ビットコインのドミナンスが上がるとアルトコインのドミナンスは下がる」という動きをしていること。何故このような動きをするかというと、ビットコインが仮想通貨の中の基礎となる通貨だからです。

仮想通貨の購入は法定通貨の日本円でもドルでも可能ですが、取引所によってはビットコインで仮想通貨を購入できるところがあり、特に海外の取引所は主にビットコイン建てでアルトコインを購入するケースは珍しくありません。

つまり、ビットコインでアルトコインを購入すれば資金はアルトコインのドミナンスが高くなり、アルトコインを手放してビットコインに戻せばビットコインのドミナンスが高くなるということなのです。

また、上図の真ん中あたりの2018年最初には、ビットコインのドミナンスはそこまで落ち込まないものの、アルトコインのドミナンスが急騰しています。この動きからは、ビットコインは手元に残しつつ、アルトコインも保有する人が増えたと読むことができます。

少し変わったドミナンスの分析方法

さて、ドミナンスがどんなものであるか、そしてドミナンスの見方はご理解いただけましたでしょうか。ここで一つ、分析の方法として少々変わった見方を2つご紹介したいと思います。もう一度、CoinMarketCapのドミナンスチャートを見てみましょう。

ドミナンスチャート

期間は2016年以降からとし、実際の割合に直したチャートとなっています。まず一つ目は、2017年以降から「6~7ヶ月ごとにドミナンスが上げ下げを繰り返している」という事。上図で言うと以下のようになります。

・2017年6月~12月(約6ヶ月)
・2018年2月~9月(約7ヶ月)

こういったタイムスパンの分析はもっと長い期間が無ければ難しいところですが、既に2度の周期が確認できていることから、今後も似たような周期で上げ下げを繰り返す可能性は十分に考えられます。

そしてもう一つが、「ビットコインとアルトコインの乖離が広がりすぎると近いうちに急な収縮がある」と言うことです。上図でもビットコインとアルトコインが離れすぎた瞬間に一気に収縮するパターンを何度か繰り返しています。

そして今年2018年の9月に再度、大きく双方が乖離しました。見えづらいかもしれませんが、上図の一番右側に注目して下さい。ビットコインのドミナンスが下落を始めて、アルトコインが上昇している様子が伺えます。

根拠は明確ではありませんが、仮想通貨は再びブームが来ると言う人も多くおり、それが2018年末か来年初頭に始まると見る向きもあります。直近の話題で言うとビットコインETFが最も有力かと思われますが、どちらにしても、ここ数か月の間の仮想通貨の動きには注目しておきたいところです。

まとめ

2100種類の仮想通貨とトークンのデータが確認できるCoinMarketCapによると、全ての仮想通貨の時価層が額は24兆4095億5065万2442円。これは最盛期の3割程度であり仮想通貨から法定通貨に戻してしまった人が多いという事ですが、それでも非常に大きな金額ですよね。今現在はビットコインのドミナンスが回復しており、アルトコインのドミナンスは低調な状況が続いています。

新規参入者や再度仮想通貨を買う動きが表れることが期待されている仮想通貨業界ですが、お気に入りの仮想通貨を買い続けるのも良いですし、たまにはドミナンスを見て、買うべき通貨をじっくり選んでみても良いかもしれません。