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2018年だけで22回!仮想通貨交換業者に下された行政処分まとめ

2018年だけで22回!仮想通貨交換業者に下された行政処分まとめ

今年に入ってから仮想通貨業界ではポジティブな話題よりも、コインチェックを始めとしたネガティブな話題が多かったと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこに直近の話題として、仮想通貨取引所「Zaif」を運営していたテックビューロがフィスコに正式に買収されることになったニュースをご存知の方も多いかと思います。

NEMや少しマニアックな仮想通貨が購入でき、他の業者が行っていない機能なども備えていたことから一定の人気を保持していたこともあり、Zaifの経営陣が完全に変わることに市場からは悲しむ声と怒りの声が入り混じったような混沌とした状況が続いています。

さて、そんな仮想通貨業界のネガティブな話題は挙げればキリがありませんが、情報が多すぎてもはや何が起きたか覚えていらっしゃらない方も多いはず。そこで今年金融庁から行政処分を受けるに至った仮想通貨交換業者を、2018年1月以降から整理してみたいと思います。

【2018年1月29日】コインチェックに対する業務改善命令

今年、仮想通貨会で最も騒がれた事件と言えば、やはり「コインチェックのNEM流出事件」でしょう。外部からのハッキングに対し脆弱な管理態勢であった、仮想通貨の保管先がホットウォレットであったなど、様々な情報が飛び交いました。下された処分は以下の通りです。

  • 事実関係の確認と原因究明
  • 顧客対応を適切にすること
  • システムリスクに対する管理、経営に関する管理の強化と責任所在の明確化
  • システムリスクに対する管理態勢の再構築と再発防止策の策定
  • 上記について行った措置内容の報告

【2018年3月8日】取引所7社に対する行政処分

そして、この処分のタイミングと前後して、各取引所に対する金融庁の一斉調査が行われます。結果として3月8日には多くの取引所に対し、行政処分が下されることとなりました。

ミスターエクスチェンジ:業務改善命令

【処分理由】
・内部監査の未実施
・法令等遵守や経営管理態勢が不十分
・顧客資産の不適切な管理
【処分内容】
・「経営管理態勢」「システムリスクの管理態勢」「マネーロンダリングやテロ資金に係る管理態勢」「苦情処理の管理態勢」の再構築
・顧客財産の分別管理
・上記について行った措置内容の報告

バイクリメンツ:業務改善命令

【処分理由】
・内部監査の未実施
・法令等遵守や経営管理態勢が不十分
・顧客資産の不適切な管理と帳簿の一部未作成
【処分内容】
・「経営管理態勢」「システムリスクの管理態勢」「マネーロンダリングやテロ資金に係る管理態勢」の再構築
・顧客財産の分別管理態勢と帳簿作成の管理の再構築
・上記について行った措置内容の報告

ビットステーション:業務停止命令、業務改善命令

【処分理由】
・経営企画部長が顧客資産である仮想通貨を私的流用していた
【処分内容】
・2018年4月7日までの全ての業務停止命令
・顧客資産の残高照会、照合、異動、処分などを適切に行うための態勢整備
・顧客資産を適切に行うための管理体制の構築
・上記について行った措置内容の報告

FSHO:業務停止命令、業務改善命令

【処分理由】
・複数回の怪しい売買取引の事実に対して確認や措置を行っていない
・社員研修の未実施
【処分内容】
・2018年4月7日までの全ての業務停止命令
・これまでの取引に関わる取引の確認と届出の実行
・顧客情報の管理に関する態勢の構築
・帳簿を適切に記載するための態勢の構築
・上記について行った措置内容の報告

GMOコイン:業務改善命令

【処分理由】
・システム障害が頻発している
・上記の原因分析が不十分
・再発防止策がとれていない
【処分内容】
・システムリスクに関する管理体制の再構築
・上記に関する業務改善計画の策定と報告
・上記の進捗、実施状況を1ヶ月ごとに書面で報告

テックビューロ:業務改善命令

【処分理由】
・システム障害、不正出金、不正取引が多数発生している
・経営陣による原因分析が不十分
・再発防止策がとられていない
・上記までの情報開示が不適切
【処分内容】
・「システムリスクの管理態勢」「顧客対応の管理態勢」の再構築
・上記に関する業務改善計画の策定と報告
・上記の進捗、実施状況を1ヶ月ごとに書面で報告

コインチェック:業務改善命令

【処分理由】
・マネーロンダリングやテロ資金供与といった仮想通貨自体のリスクに関して適切な評価がされていない
・業務拡大に相応する社内の管理、内部監査の整備や強化がされていない
・そもそも顧客保護とリスク管理を最重要課題と位置付けていない経営陣の認識の甘さ
【処分内容】
・経営体制、戦略の見直しと顧客保護の徹底
・仮想通貨自体のリスクを再検討
・新規顧客のアカウント開設の前に上記を確実に実行すること
・顧客に対する補償の報告
・上記に関する業務改善計画の策定と報告
・上記の進捗、実施状況を1ヶ月ごとに書面で報告

【2018年4~6月】業務改善命令8社、業務停止命令4社、登録拒否1社

コインチェックの事件以降、3月までの間に仮想通貨業界だけで8回もの行政処分が行われました。これ自体が既に異常とも言えるかもしれませんが、上記の取引所に対する行政処分と合わせて、更に他取引所に関する行政処分が続きます。

行政処分の内容には似たものが多いため、ここでは4月から6月に行われた「業務改善命令のあった社名」「業務停止命令の取引所とその内容」「仮想通貨交換業者の登録拒否となった会社」をまとめたいと思います。

業務改善命令

  • 株式会社LastRoots
  • みんなのビットコイン株式会社
  • テックビューロ株式会社
  • BTCボックス株式会社
  • 株式会社ビットポイントジャパン
  • 株式会社bitFlyer
  • QUOINE株式会社
  • ビットバンク株式会社

業務停止命令を受けた会社

株式会社エターナルリンク

主な行政処分理由は、代表取締役が経費の支払いに顧客の資産を流用していたということです。これにより、2か月間の業務停止命令と業務改善命令と行った措置の報告という処分がなされました。

FSHO株式会社

前回の業務改善命令に対して、何ら措置を講じていなかったことが発覚。これにより全ての業務を2か月間の停止という処分が行われました。

ブルードリームジャパン株式会社

自社で発行した仮想通貨の社内の不適切取引があり、それによる価格形成の事実が説明されていなかった。また、その事実説明等が無いままセミナーを行い、セミナーの勧誘を委託した先の活動状況も把握していなかった。2か月間の業務停止命令となりました。

株式会社BMEX

主な処分理由は、大口の取引先からの依頼で顧客の資産を複数回流用した上に、その取引先の資金繰りを肩代わりしていた。この事案に関しても、上記まで同様に2か月間の業務停止命令となりました。

仮想通貨交換業者の登録拒否となった会社

FSHO株式会社

上記の通り、過去2回行政処分を受けたFSHO社ですが、3回目の金融庁の立ち入り検査において過去に発出された命令について改善がされていなかったことが判明。これにより、「仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人」に該当するとして、仮想通貨交換業者として金融庁への登録拒否の処分となりました。

【2018年9月25日】テックビューロ3度目の行政処分

そして、記憶に新しい国内で唯一NEMが購入できた仮想通貨取引業者のテックビューロが3回目の行政処分を受ける事となります。きっかけは、ハッキングによるビットコインの流出です。

しかし不思議なのが、過去2回の業務改善命令で「システムリスクの管理態勢の構築」「顧客資産を分別する管理態勢の構築」という命令が下されていたはずです。2回目の行政処分から3か月後の事件までに、一体どのような対応がなされたのかと疑問が残るところです。

結果、世間からのバッシングが止まらず、下記の記事でもお伝えしたとおり以前から業務提携をしていたフィスコへ事業を売却することとなりました。

フィスコがZaifを買収!ハッキング事件が意外な好材料になる!?

他にも、上記に挙げた業者の中では「ブルードリームジャパン」「ミスターエクスチェンジ」「ビットステーション」などが廃業となっています。そもそも仮想通貨取引業は、取り扱っている仮想通貨そのものの技術的な取り扱いが難しく、完全な管理となると困難を極めるとはよく耳にするところです。

年初に起きたコインチェックの事件を契機として、上記に挙げただけでも金融庁の行政処分は22回。国内の銀行も事案の内容は軽微なものながら年に数回の行政処分を受けることはあります。

しかし、仮想通貨というカテゴリの中で一斉、かつ複数回に渡って行政処分がなされるというのは異常事態という他ありません。果たして今後、行政処分を受けた仮想通貨交換業者の安全性や健全性は改善されていくのでしょうか。

まとめ

仮想通貨市場に参加するトレーダーやファンからは、根拠の有無は別としても「来年は爆発する」「NEMのカタパルトが近い」「コインチェックが再開間近」といったような話をチラホラ耳にします。皆それだけ仮想通貨に期待している証なのでしょう。

しかし、仮想通貨を保有するのに欠かせない国内業者が現在の状況では、少なくとも日本だけでなく、世界規模で仮想通貨が普及するのはまだ時間がかかりそうだというのが正直なところ。いくら仮想通貨の技術の高さが証明されたとしても、それを供給する企業の態勢が整われていくことを願うばかりです。

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